突然だけど神奈川県に家を買った。なので自分の愛した両国(というより墨田区)からはさようならだ。
というわけで今回は、自分の中で墨田区という町のスナップショットを取ることにした。自分が墨田区という町でどう過ごし、どう思っていたか的な。
※この記事での墨田区は本所以南を指す(本所より北には住んだことがない!)
田舎者にちょうどいい都会だった
墨田区の長所はこれだ。田舎者がイメージする東京は新宿渋谷丸の内であり、彼らは「これらの街に住むなんてオラにはでぎるだろうか…」と不安に思うだろう。
墨田区はそんな不安な若者を暖かく包みこんでくれるいい街だ。しかも家賃も高くはない。(俺調べ)
田舎者を包みこんでくれるなら田舎に近い、という訳でもない。川を跨げば秋葉原や浅草があり、区内にはスカイツリータウンや錦糸町もある。通勤も東京駅までチャリで行けるし総武線で新宿まで30分一本だ。
つまり、都会に極限までに近い住みやすい町なのが墨田区なので、都会過ぎて田舎者が疲れるということが起こりにくい。
良い店が多い
人に優しい店がある
自分が本所に住んでいたとき、砂場という蕎麦屋が家の隣にあった。
この店の店主さんはいつも自分に「いってらっしゃ~い」「おかえり!」と挨拶してくれた。栃木の片田舎から出てきて間もない田舎っぺ根暗だった自分は最初は挨拶に焦ったものの、辛いときや疲れたときはその優しさが心に染みた。
サイフに優しい店がある
両国にあるビアレストランのポパイはランチが異常に安いのに量もあって美味いという名店だ。「これは…家賃を払っていない味がする!!」というやつ。(払ってたらすみません)後は、夜中5時までやってる中華料理店の小次郎やガツンラーメンは夫婦でお世話になることも多かった。
八百屋の八百賢なんかも、異常に安い値段で肉が買えるので大変重宝した。しかも量り売りで全部国産肉である。スキンヘッドの兄ちゃんが肉塊から指定したグラムの肉を、平均誤差5グラムで掴み取る姿はいつも凄いなぁと思う。こちらも「これは…家賃(以下略)」である。どうして国産の鶏肉が100gで100円以下で売れるのか、意味がわからない。
スーパーで言えばサミットもお世話になることが多かった。なんせ店内で作るパンが美味しいので、仕事の帰りが遅いときに非常に重宝した。
あと安くないけどシェイクツリーのハンバーガーは美味い。
体に優しい店がある
墨田区は古くからある銭湯が多い。
銭湯で言えば御谷湯、黄金湯なんかだろうか。あとニューウイングもそうか。御谷湯や黄金湯は近年リニューアルされて、非常に綺麗だが江戸の銭湯の雰囲気をしっかり残してあるのが良い。
特に御谷湯が好きで、あそこの熱湯とぬる湯のバランスは素晴らしい。
黄金湯は洒落過ぎてて自分は受け付けなかった。
ニューウイングはオジサンのディズニーランドだ。メンズスパなので銭湯より高いが、喫煙所やごろ寝ルーム、マッサージ店も入っており麻雀台も貸してくれる。ニューウイングはたまに行く贅沢だ。
墨田区に住んでた頃の家
最初の家
最初に住んだのは本所にある5.5畳の1Kだった。買った平塚の一室より狭いのに家賃は8万。このカタログスペックだけ見ると、もはや地獄の独房のようだが
- トイレとシャワーは別
- エアコンも付いてる
- コンロは独身物件の中では広い
- 駐輪場もある
という良い部屋だ。その代わり今思うと駅から徒歩15分というのが難点だった。とはいえ当時は駅徒歩5分以下の世界知らなかったので、別に苦ではなかった。
本所は浅草から近いので、よく浅草や御徒町に遊びに行ってた気がする。毎週、萩の湯という銭湯に行ったし浅草のヨシカミで食べる本格洋食やミスターデンジャーのステーキも美味しかった。後は御徒町で二郎系ラーメン(今は潰れた)を食べてタバコふかしながらパチスロをして一日を潰したりもしていた。クズである。でもそれが専門卒である自分の遅れたモラトリアムというか何と言うかだったのかも。
嫁と同棲してた家
その後は両国駅徒歩5分圏内の家に住んでいた。
梁が大きく部屋にせり出ており、40㎡という広さを全く感じない家だった。しかも家の下には中華料理店があったので、お昼前はニンニクの匂いが部屋に充満した。
デメリットが大き過ぎるように見えるかもしれないが、別にそんなことはない。両国駅周辺はとても便利で、デメリットを打ち消すほどの価値があったからだ。
まず前述した安い八百屋や飲食店があり、サイゼリヤや鳥貴族、マクドナルドといったチェーン店も豊富なので食うに困らない。
そして錦糸町や新宿へのアクセスもいいので買い物も困らない。
家の下にあった中華料理店は昼飯は美味しくなかったが、夜は美味しく繁盛しているいい店だった。
総括
きっと新居も長く住んだら好きになるんだと思う。だけど自分が初めて一人で住み、一人で過ごす時間が長い町だったからこんな記事を書くくらい愛着を持てたのかもしれない。臭い記事かもしれないが、忘れたくないなと思う。
そんな墨田区に読者の方も住んでみてほしい。
そして今住んでいる場所は今のところいい街だ。